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FBI-アキトDATESS-act.01
<<<04-04>>>






<秋人>
 我々が“泉まゆか”さんを、件とは無関係だと考える理由。それが何なのか。
 それをお話しする前に。申し訳ありませんが、もう一度だけ、泉さん自身の状況を簡単におさらいさせていただきます。

<工藤>
 手短に。

<秋人>
 分かりました。では……
 学校で起きた、期末テストの流出問題。

 『不当行為を働いた生徒は誰か?』

 という疑問に対して、学校側では今、泉まゆかさんの名前が持ち上がっています。
 そして、彼女が疑われている理由は現状で四つ。

<双葉>
((ちょ、四つ!? さっきまで三つだったじゃない!))

<秋人>
((なに言ってんだ。その三つに、泉さん自身がもう一つ追加しちまっただろ。忘れたのか?))

<双葉>
((あ、あーあー))

<秋人>
(まったく)
 ええと、四つの理由ですが……
 まずは病欠による『ハンデ』の事。
 次に職員室の『ガラスが割れていた』事により、進入しやすい期間があった事。
 そして泉さんの『落し物』に加えて……
 彼女自身が、『18日金曜日の夜、学校の敷地に無許可で忍び込んだ』ことを認めた事。

 以上四点。これら四つの状況を素直に受け取るなら。
 やはり、学校側が件の実行犯として“泉まゆか”という一人の生徒に注目するのは、ごく自然な流れだと言えるでしょう。

<秋人>
 では。この状況下で、何を証明することができれば、学校側が泉さんに向ける疑惑を解消する事ができるのか?

<まゆか>
 …………

<秋人>
 やるべきことは、至って単純です。
 18日金曜日の夜、学校に忍び込んだ際の『泉さんが取った行動』の全て。それが『テスト流出』とは、まったくの無関係だと言う事を立証できればいい。
 そうですよね?

<優希>
 全て……だと?

<秋人>
 そう、何もかも全てだ。
 無断で校門の柵を乗り越えた事も。暗い校庭を懐中電灯片手に歩き回っていた事も。その夜の行動の何もかも全て。それが、テスト流出とは無関係である、と証明できたのならば──

<工藤>
 …………

<秋人>
 それならば。いかがでしょう、先生?

<工藤>
 いいだろう、異論はない。
 それならば我々も、彼女と件の関係性を考えたりなどしない。もっとも。
 そんなことが可能なら、の話だが。

<優希>
 それはいくらなんでも……
 私も先生に同意せざるをえんぞ。そのような漠然とした状況を証明するなど、とても可能だとは思えん。

<聖司>
 …………

<双葉>
 でも、何かあるのよね?

<秋人>
 まあな。

<双葉>
 よしいけ。

<秋人>
(……気軽に言いやがって)
(綱渡りしてる方の身にもなれってんだ、コノヤローめ)

<秋人>
 と言うわけで。それでは話を続けさせていただきます。

<秋人>
 ついさっき、これまた先生が認めてくれた仮説。
 発覚の“切欠”が『学校側が直接データを手に入れた』ことによるもの、という確定した事実の中に……
 もう一つ、また別の異なる証言を放り込んでみると、です。
 不可能に思えるような証明にも、ほんの微かだが立証の可能性が見えてくる。

<双葉>
 よしきた。んで、もう一つの証言って何?

<秋人>
 それは。そこの馬鹿……おおっと。飯島君が持ってきてくれた、貴重な証言だ。

<雅也>
 え? 俺が?

<秋人>
 そう。その証言とは、情報の混乱。
 つまり、テスト日程のずれ込みが通達される前に、二年A組に誤まって流されたという、もう一つの対応策。
 テスト順番の入れ替えのことだよ。

<雅也>
 あ、あれの事か……

<秋人>
 そう。あれだよ、あれ。
 二学年において、本来テスト初日となるはずだった21日月曜日の朝。2年A組の生徒にのみ、他のクラスにはされなかった対応策が“誤報”された。
 そうですね、先生?

<工藤>
 ああ、あの件か。確かにあったな、そのような事も。
 なにぶん緊急事態だったからな。いくつかの意見が飛び交う中で、そういった間違いが起きてしまったことは認めよう。
 だが、あの対策はすぐに撤回されたはずだが?

<秋人>
 撤回されたかどうかは、この際関係ありません。
 問題は、そんな誤報が『なぜ、発生したのか』と言う事。
 誤報の内容は、こうだったはずです。
 テスト一日目の科目を、テスト三日目の科目と入れ替える。

<工藤>
 確かにその通りだが……

<秋人>
 そしてその方法もまた、テスト日程をずらすことと同様に、テスト流出に対する“対策”として発案されたものだった。
 そうですよね?

<工藤>
 ああ、肯定しよう。

<秋人>
 だとすれば。

 『テスト順番を入れ替える事でも、流出に対して対応可能』

 だと。学校側は、一度はそう判断した事になる。
 ではなぜ、そんな判断が可能だったのか?
 そこで出てくるのが、すでに確定した事実である“切欠”です。

<秋人>

 『学校側は、流出した実際のデータを手に入れた』

 そんな経緯が実在し、そしてもしも……
 もしも、実際に手に入れたデータの中身が、完全とは言えないようなものだったとしたら。

<工藤>
 ……!?

<優希>
 完全ではない……それはひょっとして『足りない』という例の件の事か?

<雅也>
 あ、ああ! あれのことか!

<秋人>
 そう。完全でないというのは、つまり『足らなかった』と言う状況だ。
 学校側が手に入れた、流出のデータ。その中身は二学年のテスト問題であり……
 しかし、それは。9教科全てが揃った状態ではなかった。そのはずです。

<工藤>
 ……どうしてそんな事まで。

<秋人>
 恐らくです、先生。
 あなたが手に入れたデータには、三日目の予定科目だった『数学U』と『物理』のデータは含まれていなかった。
 だからこそ。流出の可能性が低い三日目の科目を、初日にぶつけるという案が、一時的にしろ持ち上がる事になった。
 違いますか?

<工藤>
 そ……その通りだ。

<秋人>
 なら。この考えが的を得ているのであれば、その時は。

<双葉>
 その時は……

<秋人>
 泉まゆかさん。

<まゆか>
 は、はい。

<秋人>
 待たせたな。これでようやく、あんたの潔白を立証できるだけの土台が整った。

<まゆか>
 は……はいっ!

<秋人>
 と言うことで、先生。足りなかった教科は、先にあげた『数学U』と『物理』だけでしたか?

<工藤>
 …………
 もはや、君に対して隠し立てする意味が見出せなくなってきたよ。いいだろう認めよう。足りなかったのはその二科目だけだ。

<秋人>
 つまり。テスト直前に発見したデータは、全9教科中の7科目分が収められたものだったと言う事ですね。

<工藤>
 そうだ。メモリの中には『私のPCで保存していたはず』のテスト問題のデータが、7教科分入っていた。

<秋人>
(よし。いいぞ、ここまでは理想的だ)

 では、ついでにもう一つ。
 二学年のテスト問題は、学年主任である工藤先生が管理している。

<工藤>
 それについてはすでに、認めているはずだが。

<秋人>
 では。先生は各教科の担当教諭たちから集まってきたテスト問題のデータを、どうやってフォルダ分けされていますか?

<工藤>
 何だって?

<秋人>
 つまりです。例えば『二学年期末テスト問題』とかって名前のフォルダがあり……
 そのフォルダをあけると『二年期末 現代国語』とか、『二年期末 日本史』ってな感じで、ファイルが9教科分、並んでいるんじゃないのかという事ですよ。

<工藤>
 それは今、重要な事なのかね?

<秋人>
 ええ、もちろん。

<工藤>
 また、妙な事を聞いてくるな。確かに私のパソコン内では、今君の言ったような感じでデータを収納してはいるが……

<秋人>
 つまり、一つのフォルダの中に9教科のテストデータを入れていると言う事でいいですね?

<工藤>
 そうだ、が。

<秋人>
 そうですか、ありがとうございます。

<秋人>
((なあ、あんたよ))

<まゆか>
((え?))

<秋人>
((中々に、運がいいじゃねーか))

<まゆか>
((ええ? あ、は、はい! ありがとうございます!))

<秋人>
(つってもまぁ、まだまだ油断はできねぇけどな)

<工藤>
 それで。そのような事が本当に、何かの根拠になると言うのかね?

<秋人>
 ええ、もちろんです。というか、先生が一つのフォルダにファイルをまとめてくれているのであれば……

<聖司>
((…………))

<秋人>
 潔白を証明できる根拠自体は、結構ハッキリとした形で残ってるはずですよ。

<工藤>
 ハッキリだと?
 もう、何がなにやら……。泉さんが潔白だと言えるだけの根拠が何なのか、そろそろ教えてはもらえないかね?

<秋人>
 いいでしょう。それでは、お見せします。

<優希>
 お見せします……だと?

<聖司>
((……!?))

<優希>
((な、何だ霧島! いきなり暴れ出すな!))

<双葉>
((え、あのどうしたんですか?))

<優希>
((いや、霧島の奴が急に))

<聖司>
((もがもがもが!!))

<雅也>
((うわ。何かの病気かな?))

<まゆか>
((え? 手帳が欲しいんですか?))

<聖司>
((もが!))

<優希>
((手帳? 何だ、さっきのページがどうしたと言うのだ? というか、暴れるな!))

<聖司>
((モガー!))

<秋人>
(おお。ひょっとして、あいつ気付いたのか?)

<工藤>
 どうした? 騒がしいようだが?

<秋人>
 いえ、何でもありません。話を続けます。ええとちなみに、先生はこの電話をどこから?

<工藤>
 職員室の……私のデスクからだが。

<秋人>
 なら、話は早い。
 泉まゆかさんが、テスト流出とは無関係だと証明できる根拠。それは今、先生の目の前にあるはずですよ。

<工藤>
 !?

<秋人>
 という事なので。それでは先生、今すぐあなたが管理しているPCを立ち上げ、流出したテスト問題のデータが入ったフォルダを開いてください。

<工藤>
 ……わ、分かった。

<聖司>
((もぅがもがが!!))

<優希>
((黙ってろと言うに!?))

<秋人>
(ったく、騒々しい奴らだな)

<工藤>
 さあ開いたぞ。で、これが何なのだね?

<秋人>
 では先生、お尋ねします。もしも先生が、画面に表示されているテスト問題のデータを盗み出す立場なら。PCをどう操作しますか?

<工藤>
 ……なんだと?

<秋人>
 先生。あなたは今、テスト問題を盗み出すために、そこにいます。
 目の前には、目的のPC。画面に映されているのは、一つのフォルダに収められた9教科分のテスト問題。
 あなたは今、それを手に入れたい。さて、先生ならそこからどうします?

<工藤>
 なにを……馬鹿な事を。

<秋人>
 いいから、答えてください。
 テスト問題を盗み出す。そのために、先生ならその状況からどんな行動を取りますか?

<工藤>
 つまり……。私に、テストを盗み出す立場になって行動してみろと、そういう事なのか?

<秋人>
 その通りです。
 そして出来るなら、盗み出すまでの手順を実践しつつ、その流れを実況していただきたい。

<工藤>
 ……まったく。何を考えているのか、皆目見当がつかん。

<秋人>
 だとしても、お願いします。

<工藤>
 ……仕方ない。分かった、やってみよう。

<秋人>
 助かります。

<工藤>
 ふう。私なら……そうだな、まずは……
 USBメモリか何か。外部記憶できる物を挿してフォルダごとコピー……
 …………?
 いや待て。この方法では9つ全てのファイルが……

<秋人>
 ああ、言い忘れましたが。
 メモリ等にコピーするのなら、出来上がりは先生のお話にあった『届けられたデータ』と同じ状態にしていただきたい。

<工藤>
 そ、それくらいは承知している。つまり……七つだけコピーしろと言う事なのだろう?

<秋人>
 ええ、そうです。ちなみに省くのは『数学』と『物理』の二教科に限られますので。

<双葉>
 あ……足りない二教科。

<優希>
 なるほど、そういう事か。

<聖司>
((ふんぐぐぐぐ……))

<雅也>
 なあなあ、何がどうなってんだ?

<まゆか>
 …………

<秋人>
(ふむ。俺が言いたいこと。約一名を除いて、他の奴らも粗方の察しが付いてきたみたいだな)

<工藤>
 仕方ない。それなら、一旦フォルダに入ってから……
 う。この並び順はまた、何といやらしい。となると後はファイルを個別に……

<秋人>
 ファイルを個別に?
 さて先生、今のあなたは盗人役ですよ? そんな人間が、意味もなく余計な手間をかけるなんて事、有り得るとお思いですか?

<工藤>
 う……ぐ。
 いや、言いたい事は分かる。立場上、手間をかけるなと言うのだろう?

<秋人>
 ええ、その通りです。

<工藤>
 しかしだ、霧島君。フォルダごとコピーすれば9科目分全て入ってしまうし、逆にフォルダに入って一つずつ移動もできないとなると……
 どうすればいいのかね?

<秋人>
 正直言って、どうもならないでしょう。
 という事で、ありがとうございます先生。その辺で十分です。

<工藤>
 ……そ、そうか。

<秋人>
 では。次に、フォルダの中にある9科目分のファイルを、並んだ順番に読み上げてみてください。

<工藤>
 …………

『英語U』『化学』『現代文』『古典』……

『情報』『数学U』『日本史』『物理』『保健』……

<秋人>
 と言う事は、『数学U』は6ヶ目。『物理』は8ヶ目という事ですね?

<工藤>
 ……その通りだ。

<秋人>
(つーと、こんな感じの並び方か、それともこんな風になるわけ、で。こりゃあ確かにいやらしい並び方だな……)

<秋人>
(この子。想像以上に、強運の持ち主だったか?)

<工藤>
 それにしても、実際に持ち出されている以上、何かやり方が……
 いや、やってやれない事はないのだ。ただ、作業工程があまりにも不自然になってしまうだけで……

<秋人>
 それでは先生。犯人役のご感想は?

<工藤>
 非常に……気持ちが悪い。
 君は、あらかじめこの並びを、知っていたのかね?

<秋人>
 まさか。正直、そこまで想定するなんてのは無理ですよ。
 各ファイルの正確な名前や、それ以前に先生が普段PCをどんな設定にしているか知りようがなかったので、運任せの部分も多分にありました。

 それでも。
 全9科目ということは、ファイルの数は奇数。その中から、二科目だけを除いての“エリア選択”ってのは、どうにもやりづらい状態になる可能性が高いはず──
 くらいには、考えていましたけどね。
 何にしても。これもまた、今までどおりの“仮説”でしかなかったんですけどね。

<工藤>
 霧島君。言いたい事は分かった。
 よもやとは思うが、まさか一つずつ。そう、フォルダを開いて一つづつ順番にコピーしていったとも考えにくい。
 職員室に忍び込み、これから『盗み』をやろうとする輩だ。ならば君の言ったように、普通なら一番手間のかからない“フォルダごと”を実行するはずだろうな。

<秋人>
 そうでしょう。テストデータを盗み出すために、職員室に忍び込んだ人物……
 そいつが、難関だと名高い『数学U』と『物理』を避けて、フォルダの中身を一つ一つ、コピーしていったという可能性は……
 まあ、ゼロではないのかもしれません。
 しかし。それはあまりにも可能性の低い話と言えるでしょう。

<工藤>
 同意しよう。しかし。
 だがしかしだ。実際に流出したデータがその状態であったのなら、いかに低い可能性であろうとも……

<秋人>
 あるんですよ。

<工藤>
 なんだと?

<秋人>
 他にも、あるんですよ。
 手間をかけず、『数学U』と『物理』の二教科だけを除外した状態で、コピーする手段が。

<工藤>
 ……興味深い。ぜひ聞かせてもらおう。

<秋人>
 なに、簡単ですよ。一番手軽な『フォルダごと移動してコピー』をすればいいだけですから。

<一同>
 は?

<秋人>
 恐らく。テストデータを盗み出した人物は、PCにUSBメモリか何かの外部記憶装置を接続した後……
 テスト問題の入ったフォルダを、そのまま、最短の手順でもってコピーした。
 それ以外の『いらない手間がかかる方法』がとられた可能性なんてのは、それこそ微々たるもでしょう。

<工藤>
 だ、だ、だからだね! それなら結局、9教科全てが──

<秋人>
 聞いてください。

<工藤>
 ……ぐ。

<秋人>
 一番手軽な、フォルダごとまとめての操作。しかし、コピーされたのは『数学U』と『物理』をのぞいた、全9教科中の7科目分のみ。
 ではなぜ、そんな事が起きたのか?
 PCがその二教科だけ、移動しそこなった?
 それとも、その二教科だけ、もともと複製禁止になっていた?
 そうじゃない。そんな事よりも、もっとずっと有り得るだろう可能性があるはずだ。

<秋人>
 工藤先生、こいつは仮説です。
 もしも。
 もしも、その二教科ってのが……



盗まれた時、まだフォルダの中に無かったとしたならば。



<全員>
 !!!???

<秋人>
 無いのなら。それなら初めから、持ち出せるはずもない。

<秋人>
 テスト問題を盗み出すために、職員室へと忍び込んだ人物。
 そいつが、職員室のPCに手をつけた時。その時点ではまだ、全教科のテスト問題が出揃っていなかったのだとしたら?
 フォルダの中に入っていたデータが、そもそも7科目分しかなかったのだとしたら?

<工藤>
 そんな……ことが……

<秋人>
 工藤先生。こいつは最後の質問です。
 テスト問題のデータ。それが全教科分、あなたの元に出揃ったのは、いつの事でした?

<工藤>
 いや、正確に覚えては……

<秋人>
 では。テスト前の休み直前。つまり18日の金曜日、仕事終わりの段階では?

<工藤>
 その時なら……ああ、全教科とも揃っていたはずだ。

<秋人>
 では。PCのデータ記録か何かで、各ファイルが何日の何時にそのPCへ保存されたか確認してください。

<工藤>
 え、それはどう操作すれば……

<秋人>
 だったら。今すぐ問題を作成した各担当教諭に連絡し、テスト問題の提出日を問いただして下さい。

<工藤>
 …………

<秋人>
 そしてもし。全9教科中、もっとも遅く提出された教科が、『数学U』と『物理』であったなら……
 それは一つの仮説を裏付ける、十分な根拠になる。

 流出データに二教科が含まれていなかった理由。
 それが、『コピーされた時点では、まだその二教科は提出されていなかった』からだと考えれば。
 それなら、不自然に二教科だけが抜けていた状況を説明付けることが可能な仮説となる。

<秋人>
 そして、18日金曜日の段階で全教科揃っていたという先生の記憶が確かなら。
 テスト問題が盗み出されたのは、『18日金曜日ではなく』、もっと以前の出来事だという証明であり。そしてそれは結果的に──

<秋人>
 18日金曜日の夜、学校に忍び込んだ“泉まゆか”さんの行動。
 その全てが、テスト問題の流出とは何の関係もないという実情を立証する……
 明確に記録された、根拠となるはずです。

<全員>
 ………
 ……
 …

<秋人>
 いかがですか、コノヤロー?